室町時代以降、近世を通じての盲人組織の名称。
鎌倉時代に『平家物語』を語る盲目の琵琶法師たちが権利確保のため形成した座が母体となり、室町初期に成立したと考えられている。
当道は祖を人康親皇(平安時代、仁明天皇第四皇子が盲目となる)が貞観十四年(886年)に近侍盲人に検校・勾當の二官位を与えたのがその始めとある。又初代総検校を明石覚一とする。「邦楽百科事典」(音楽之友社)
本来、当道は自分達の芸能の意であるが、次第に盲人平曲家の組織を指す様になった。近世になり平曲が衰えてくると、当道の芸能座としての機能は薄れ、経済的自助組織としての性格が強くなった。
江戸時代には、官位は四官十六階七十三刻に分けられ、その官位に応じて官金(官位を得るために納める金子)を納め、また運上金(吉凶に当たり四民が盲人に与える祝儀)が分配された。幕府の保護の下、治外法権的な自治団体となった。
当道の最高責任者は職検校(総検校)といわれ、京都の職屋敷で政務をとり、諸国の仕置屋敷を通じて全国の盲人を支配した。その格十万石の大名に匹敵したという。
元禄より享保にかけて、江戸にも職検校がおかれたが、これは惣録(江戸宗匠)と呼ばれた。
明治四年に太政官命(新政府の方針)で当道が廃止された。




鬼追明夫

 

 

 本年10月7日開催の當道会の総会、理事会の決議・互選によって会長に選任された鬼追明夫でございます。1960年から大阪で弁護士一筋の道を歩んでまいりましたが、これまで京都の地歌・筝曲等の世界はもとより音楽界とはほとんど没交渉の身でありました。このような私が、伝統ある京都當道会会長の任に耐えうるかどうか心許ないところですが、精一杯の努力をいたします。どうかよろしくお願い申し上げます。
 現代社会の急速なグローバル化の流れにあって、伝統音楽をどう普及・発展させるのか、また新しい公益法人制度、非営利法人制度への過渡期にあって、京都當道会をどのように維持し、興隆させるのか課題は山積しております。会員、役員の皆様と力を合わせ、また関係諸機関と密接なかかわりをもちながら、これらの課題に取り組んでまいりたいと存じております。重ねて会員、役員の皆様方のご協力、ご鞭撻をお願いします。



 
役員組織
会長 鬼追明夫
副会長 大木冨志 勝山貴之
理事 左海祥二郎 鈴鹿且久 田口章子
中野淑夫 竹田陽子 村木清美
監事 岩木節子 早瀬久恵



(写真:2004年12月5日 京都会館) 
 
平成24年度貸借対照表
平成23年度貸借対照表